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蕎麦屋の牛タン。

日曜日、生業の関係で仙台へ。

いつもなら駅の売店から好みのつまみと酒を仕入て新幹線に乗り込むのだが、今日は少々勝手が違う。

娘がつまみ類を作って持たせてくれた。早速座席に着き、包みを開く。Dcim0638全て自分の好物が詰まっている。「マルシンのハンバーグ・赤ウインナー・丸善の魚ニソ・出汁巻玉子・マカサラ・シュウーマイ」。

魚ニソでのハートマークやタコの容をした赤ウインナーが目についたのか、隣席のおばさんの視線を感じた。

見返りに牛タンの土産を要望していることは明々白々だが、馬鹿な父親はそれでも喜ぶ。

仙台に着くとかなりの勢いで雨が降っている。ホテルでチェックインを済ませ分町を冷やかしに出た。青葉通りを過ぎた辺りにある「文化横丁」通称ブンヨコ。Dcim0580日曜日と言う事もあり、ほとんどの店が暖簾を仕舞っている。「源氏」もその通り、残念。

夕刻より家人の兄の家に招かれてお邪魔する。

この兄貴には、自分と家人が所帯を持つ前に大変な迷惑を掛けた。それなのに実の弟の様に接してくれて、何かにつけ気にかけてくれるので今だに頭が上がらない。

この度も急な連絡にもかかわらず、歓待してくれた。Dcim0581甥っ子家族も駆けつけてくれて賑やかな宴となる。日本酒やら焼酎の杯は重なり、楽しいのと居心地の良さに甘えてすっかり遅くなってしまった。酔った頭を奮い起こし兄貴夫婦・甥っ子家族に挨拶をしてお暇をした。

既に足下も怪しい。このままホテルへ帰ろうとしたがどうしても分町を通らねばならない。あたりをふらつき、路地に見つけた赤提灯の灯。Dcim0582「御家族公認・酒道場」とある。

暖簾を掃って店内に入ると、左手にカウンター右手には座敷。常連さんが一様に振り返ってこちらを睨む。ここまではいつもの洗礼なので問題ない。

いつもと違うのはカウンターに居る筈の店主が見当たらない。しばらくして「こちらへどうぞ」と声がした。その声を辿って行くとカウンターの隅に店主らしき方が居た。手招きされるがままにカウンターへ座る。

「店主の私が酒好きなのでいつもこんな感じなんです」とベロベロのご高齢のこの店主。これはしくじったと思ったと同時に「お酒ですか」と聞かれ反射的に「常温で」と答えていた。

コップと一升瓶をコチラの目の前にドンと置いて「好きなだけどうぞ」ときた。いよいよダメだ、何も頼まずコップ1杯の酒で切り上げようと思ったところにタイミング良く?お通しが供された。Dcim0586「何でサツマイモが出てくるんだよ」と心の中で呟きながら何気なく煮物に手を出すと、「あらっ」と思うほど意外にも旨い。きんぴらも同様。サツマイモまで試してみたらこれが悪くない。

改めて店内を見回すと呑み助の心をそそる品揃え。Dcim0585気分を整えもう1杯常温の酒を自分で一升瓶から注ぐ。

そのうち隣に座った店主と話になり、この街で45年以上もこの店を営んでいるとの事。実は「腕に覚えあり」なのかも知れない。

会話の中で「せっかく仙台に来たのにこの時間では太助も利休も喜助も終わっているな」と何気なくコチラが呟くと、常連さんの一人が「本当に食べたいならあるよ」と。

意味が分からず戸惑っているとその常連さん、「ちょっと待ってて」と店外に出て行き戻って来たときには手に牛タンを持っていた。

そして供されたのがこのシンプルな牛タン。Dcim0588何か狐につままれた様な感じだが、一口食べたら旨い。とても旨い。

話を整理すると、この常連さんはこの店の近くにある「蕎麦屋」の店主で、その店の裏メニューとして牛タンを提供しており、それが「知る人ぞ知る」逸品で蕎麦より牛タン目的の客も多いそうだ。これはラッキー。しかも勝手にこの店の厨房へ入って牛タンを焼いてくれている。もしかしたらこの店の名参謀なのかも知れない。

誰もが知っている有名店の牛タンは肉質は上がってきているが、その分テールスープの味が落ちたと嘆いていた。そのテールスープが旨い店も教えてくれた。

その後の展開はあまり記憶に無いが、恐らくまたの再会を約束して店を出たのだろう。這う這うの体でホテルへ帰ったのは間違いない。

「明日、他の店の牛タンを食べれば違いが分かるよ」と言っていた蕎麦屋の店主。

相当な自信が気に成り、翌日の昼に名の知れた店で食べた牛タン定食。Dcim0590十分旨い、確かに旨いが昨夜の牛タンに軍配が上がる。

あの蕎麦屋、中々である。

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コメント

酒飲み冥利に尽きる話しではありませんか。
今度はそのそば屋にも行かなくてはなりませんね。

私と好みがほぼ一緒で嬉しい。ちなみに我が家では、マルシンも赤ウインナーも私しか食べません。横浜にも「たん右衛門」という牛タンの名店がありますが、ちょっと高いのが玉にきず。ご健勝を。

M酔軍様

しがない股旅稼業ですが、時には旅先でこうした思いがけない出会いがせめてもの救いとなり、明日への活力(酒)にも繋がります。

蜷川様

昔から(今でも)丸善ホモソーセージ・マルシンハンバーグ・赤ウインナーは自分の中では御馳走です。
幼少の頃は常に食べられたわけでは無く遠足や運動会など、特別なイベントの時には祖母が必ずこれらを弁当に入れてくれました。

その頃の思い出と共に自分にとってはこれからもずっと御馳走です。

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