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2009年6月

祝い酒。

何と申しやしょうか、まぁこのぉ~世の中ってぇ~もんは中々面白しれぇ~もんでごぜぇ~やして。(志ん生調)

本当に世の中、何があるか分からない。順当に行かない事が儘ある。そう言う意味では面白しれぇ~。

そんなわけで「祝杯」を酌み交わす事となった。

M酔軍氏もご列席頂いて楽しい祝宴となったが、30名程の子供も同席したのでちょっとケツの座りが悪い。

本音を言えば少々筋書きが違い、所謂嬉しい誤算と言うところか。

しかしながら、諸手を揚げて喜んでばかりもいられない。これもまた本音。

何しろこれからが大変になる。

昨日で「上がり」、あとは悠々自適気ままな巡礼行脚と思っていたが、それも儘ならなくなった。

取れあえず平安遷都1300年に沸く、奈良へ行ける事になった。

奈良と言えば近頃上野の「阿修羅展」で盛況を博した興福寺がある。

もしかして三たびもご面会に行かせて頂いた故のお導きか。

天平の風が吹き、悠久の歴史を持つこの地でどんな酒場に出会えるだろう。

下町礼讃。

意気揚々と南千住でM酔軍氏と待ち合わせ。

高鳴る思いを押させて、いざ泪橋方面へ。

「大林」。2009062516200000 先日一人で訪問し敢え無く秒殺されて以来。

門構えや暖簾を見ただけで「あの時」の感動が蘇る。

辺りはまだ明るいがそこだけが更に異質な光を放っているかの様だ。

さて。

暖簾を潜り、引き戸を開けた。

M酔軍氏「うっ、・・・」。しばし沈黙。

流れのままにカウンターへ腰掛ける。・・・未だ沈黙。そして一言「参った」。

そんな状況を冷静に眺められる余裕はこちらとて無い。

この「異空間」はどうだ。

正面に立派な神棚が設えてあるが、思わず手を合わせ拝みたくなる。

カウンターは本より、三和土・テーブル・椅子・格子戸・棚・壁・すべての物が丁寧にしかも綺麗に使い込まれている。

更に、キンミヤの瓶やグラス、お品書きに至るまでの絶妙なレイアウト、見事だ。

「使い込まれた和竿」の美学。ここが称される由縁も十分に頷ける。

店主の丹下段平さんは相変わらず無愛想だが、この店の「媚びない」趣きにはそれで良い。

何を食して何を呑んだか。ここでそんな事はどうでも良い。この空間に佇んでいられる幸せを感じていたい。

「参った」。店を出るまで何度となく口を吐いて出る。

仇討ちのつもりが、完全に「白旗」返り討ちにあってしまった。

「大林」、恐るべし。紛れも無い「名店」である。

その後、ふらふらと三ノ輪橋方面に歩き出した。

「弁慶」。門仲の「大阪屋」同様、大鍋の串もつ煮が有名。レバ・シロ・ハツ一串何と40円。三ノ輪でも人気のある名店だ。二人でチューハイとモツを頼んではみたが、今日はダメ。会話が弾まない。M酔軍氏と共にまだ「大林」を引きずり、完全に魂を抜かれている。

どうしたものか。この期に及んでは生半可な「場所」では魂が蘇生しない。

M酔軍氏の言う通り、こんな時は「余韻を楽しみ」、余計な店には行かずこのまま帰るかだが・・・

一計を案じ、上野桜木町は寛永寺の寺町「おせん」。言問い通りに面した築100年の堂々とした外観、通り行く人々を常に魅了する。

過去一度だけ訪れたが、満席と簡単に「あしらわれた」。

入谷からタクシーで緩やかなスロープを上り到着。この店自慢の赤提灯の灯が燈っていない。休みか。00001_61

いや、待てよ。ここは暖簾が出ていなくても常連さんは入れると聞いた。奥で人の気配もする。

M酔軍氏が入り口より声を掛けたが、やはり休みとの事だ。それではしょうがない、鶯谷まで歩きますか、なんて言っていると、店の中から「ビール」ぐらいならと、嬉しいお言葉。

もちろんお言葉に甘えて直ぐ様店内へ。

カウンターと小上がり。2009062520590000 2009062519220000

著名な画家が描いた「おせん」の絵と、その奥に鎮座ましますはこちらの看板娘「おせん」さん。ご近所の方々と一杯やられていた。

88歳のこの「おせん」さん、その存在そのものが「下町」で口も達者だが、「呑み」も相当なものだ。

我々もビールから日本酒の「ヒヤ」に昇格させてもらい、その日本酒がこれまた我が故郷の「初孫」、とくれば言う事なしだろう。

一見者の二人に、おせんさんはコップの日本酒を呷りながら貴重な昔話しをしてくれる。こちらにとっては願っても無い最高の「子守唄」だ。

チーママを始め、ご近所のお友達三人も皆楽しく良い方でこちらも日本酒がグイグイ進む。失礼ながら大先輩のお姉さん方に引けを取る訳にはいかない。それにしても良く飲む。

本来ここは「おでん」がメインなのだが夏場は「かき氷」が有名でよってこんなのも店内にはある。2009062519380000

今日はつまみは何も無いとの事だったが、「柿ピー」と「めんたいこ」それに「漬物」。酒飲みには十分だ。

おせんさんの舌鋒鋭い毒舌は「粋で鯔背」な「芸人」だったご亭主譲りだそうだ。なるほどな。

最近は足を怪我してお店は閉めているそうだが、ちょっと怪しい。

ここの店はおせんさんのやる気次第で開閉店時間や休みを決める。これは常連さんの間では有名な話だ。

その証拠に「誰かブログにおせんは閉店したって書いてくんねぇかな。そしたら客も来なくなるのによ~」とおせんさん。この茶目っ気、やる気はあると見た。元気なうちは頑張って下さいよ、ねぇ~おせんさん!

難攻不落のこの店に、こんな感じで攻め入る事が出来るとは思いもしない幸運だ。それもこれも「大林の恩恵?」とM酔軍氏と二人で納得した。

最後はおせんさんと握手でお別れして店を出た。いやはや何とも楽しかった。お陰様で少しは「大林」の「呪縛」が解かれた気がする。

〆は行きがけの駄賃よろしく鶯谷陸橋下「ささのや」。

立ち飲みだが店内には入りきれず表の仮設テーブルで。この季節はオープンエアーに限る。焼き鳥い1本70円。

何故か途中、酔狂な自称日系アメリカ人なる女性が声を掛けてきた。その女性もチューハイ片手に焼き鳥を食べているが、やけに馴れ馴れしい。

待てよ、さっき「おせん」のお姉さま方が、「帰り道気を付けて帰んなよ、鶯谷はカマが多いから」って言ってたな。何も無いが、危ない危ない。文字通り煙に巻いてM酔軍氏よ鶯谷駅に着いた。

本日はこれにて終宴、下町の奥深さを十分満喫した巡礼だった。

和色台処。

今日は五香にあるお店へ。2009062417470000

ここは30人超えの大人数の時に良く利用させて頂いた。

場所柄M4会でも度々利用して、会員の皆さんにも評判が良かった。

心の篭った旬の素材を生かした料理や、酒。2009062417480000

何よりチェーン店の様なお仕着せなマニアル通りの対応ではなく、臨機応変にこちらの我儘にも快く応えてくれて頂いた。

数日前、店主の奥様よりわざわざご連絡頂き、駅で言うと三つ程先に移転するとの事。

残念だがご事情があるのだろう。仕方が無い。

せめてものお礼に移転するまえにもう一度と言う事に相成った。

まずは家人と二人で瓶ビールとぬる燗で始める。

M4会でも人気のある「ホルモンとニラもやし炒め」・「舞茸の天婦羅」・「烏賊の一夜干し」などで寛いでいると、そこへ美人三姉妹の一人I上ママとSちゃんが合流。

I上ママと家人は生ビール、Sちゃんはジンジャエール、それと相変わらずのぬる燗で乾杯してしばしある種の話題で盛り上がる。

しかしだ。この義理の三姉妹、結束すると強力でこのメンバー構成は何となく「やばい」。これは長年培われてきた「感」だ。

良く分からないが、形勢が著しく不利だ。日頃の鬱憤を込めた「集中砲火」に遭う「危険」を本能的に感じる。

店主と奥様にご挨拶したのち、「後は奥様だけでのお話もあるでしょうから」と早々に一人腰を上げ様としたところ、「真っ直ぐ帰らないんでしょ?」とか「どこか寄るんじゃないの~?」とSちゃん。

ほら、来た来た。

這う這うの体で店を後にした。

これを「敵前逃亡」と言うかしら。

自分では「リスクヘッジ」だと思っている。

いずれにしても店主ご夫妻には新しい地でのご繁盛を祈念したい。

リスケ。

先日からどうも「ゑびす」が気になっている。

堪え性の無いこの性格、早速最寄駅より電車に飛び乗り金町へ。

何気なく車窓から外を眺めると、「何っにぃ~」。

駅裏に何時の間にか「立ち飲み」が出来ている。

一駅乗ったところで、すぐさま反対ホームから戻った。

2009062316360000 確かに「立ち飲み」が出来ているが、まだ開店前なのでこんな時の「ホルモン焼きしちりん」で取り敢えず「チューハイ」と「ホヤ刺し」で時間潰し。

ここは七輪でホルモンを焼くのがメインだが、魚介類も新鮮で、よって「ホヤ」も旨い。

さて次は何にしようかなぁ~なんて思案しているところに、M酔軍氏(M氏改め)さんの直系大守さんより電話が入り、お誘い。

店を出るべくお勘定をすると、顔馴染みの店のお兄さんが「早いっすね~」。そりゃそうだ、入って10分も経っていない。

待ち合わせは「南千住」。ここはその昔「板橋」「鈴ヶ森」と並ぶ三大処刑場「小塚原(こずかっぱら)」があった曰く有りの土地だ。

その正に「あった」辺りを通り過ぎ、泪橋の交差点。と来れば先日秒殺された「大林」。

しかしそんなに世の中上手くは行かない、何と「臨時休業」。

少々落胆したが心配後無用ここら辺りは何気無く良さげな店が「普通」にある。

2009062317490000 2009062317460000          

そんな訳で、3、4軒先の「タカラ酒場」。

店内は堂々たる貫禄がある。

このカウンターも歴史を吸って、また凄い。

取り敢えず、「ボール」に「チーズ」「玉子焼き」。

店主も愛想良く色んな話しに応えてくれる。

M酔軍氏が「干だら(ひだら)」を頼むとこれが見事に塩っからい。最近はこんな塩っ気のある物が少なくなった。しばし「鮭の塩びき」談義で盛り上がり、当然杯が進む。ここら辺(山谷)の方々はお土地柄、この位塩っからくないと納得しないらしい。でしょうね。

それにしても風情がある店内、「ただ一点だけ」がとても残念なまま店を後にする。

「やっと」夕闇が迫り、本来の「危ない山谷」が顔を覗かせ始める。

せっかくなので、三人で山谷散策。この時間、一人でスーツなど着てではちょっと怖くて歩けない。

居ますねぇ~、居る居る。危ない危ない諸先輩方。

「お兄ちゃん千円持ってたら貸してくれ」「持っていません」「じゃぁ五百円でいいや」「持っていません」「この貧乏人!そんなヤツがここらをウロチョロするんじゃねぇや!」実に理不尽な話しだが、ここでは罷り通るのだろう。何せ治外法権の自治区だ。

さすがドヤ街、簡易宿泊所も沢山ある。最近はみなお洒落になったが、通りに出るとこれぞドヤと思える建物が。看板を見ると「プレスハウス」。プ、プレスって、と思いきや最近の山谷は外国人の方も多いらしい。単に宿泊料金が「安い」だけでここらを闊歩する姿は、誤解を恐れずに言うなら「外来種」だ。築地同様、似合わない。

そそくさと歩き次いでは、殆ど小塚原のエリア内に鎮座する名店「大坪屋」2009062318590001 2009062319040000

程良い喧騒が落ち着く。

ここの名物、「ジルバお姉さん」も相変わらずお客を叱り飛ばしているが愛嬌があり、いい。

「ウインナーの野菜炒め」と「鮭カマ焼き」をつまみに、「キンミヤ」の一升瓶から注がれる酎ハイは200円也。ここも正しく名店。お勘定を聞き返す程安い。

店を出て、日比谷線で帰ろうとする大守氏にM酔軍氏の「指導」が入りもう一軒。

2009062320520000 駅前に何とも無粋なプレハブ。

その中にある「鶯酒場」。

ここは愚行極まりない「再開発」と言う名の「破壊」の犠牲になった。

昔は趣のある立派な酒場だったそうだ。勿体無い。

まずチューハイ。カウンターの中には立派な燗つけ器があり、瓶の一合徳利を常連さんが旨そうに傾けている。

品書きに「コブ汁」とあり、早々頼んでみると、とろろ昆布に熱湯を注ぎ、旨味調味料(味の素)をたっぷりかけ、葱をちらす。そこへ自分の好みで醤油を垂らすのはお客。何て事無いが、飲み過ぎの身体に優しくこれが旨い。

店を出てここで本日はお開き。

電車に乗り、降りる駅に電車が止まろうとした瞬間、先ほどの新参者「立ち飲み」屋が見えた。今度は赤々と看板を点け開店している。2009062321580000

「吸い寄せられる」様に入る。

店内には「スモーク オン ザ ウォーター」。70’年代ハードロックか。

「いつから営ってんですか」「先週からです」「いつもこんな感じの曲を流してんの」「ええ、多少拘ってます」。

店主らしきこの方、年齢は自分より一つ上だそうで、何故かバーのウエーターみたいな格好をしている。

何か「匂い」がしないなぁ~。

チューハイ300円、焼き鳥類120円、んっ?「ハツ」の事を「こころ」なんて書いてある。寒む~っ。

隣の若いカップル、その若さで立ち飲みに来るなんぞ見上げたもんだが、お姉ちゃん、ちょっと香りが強すぎないか。どう見てもスタンディングバーと勘違いしている。

お勘定が千円を越すように努力して帰ろうとしたところ「プリプリ」の「瞳は・・」が流れ出した。

おいおい、拘ってたんじゃねぇ~のかよ。ダメだこりゃ。 

近所宵。

生憎の雨、夕方までかかって用件が「無事」済んだ。

こんなところで引っ掛かってはいられない、雌雄を決するのは今週末だ。

会場で船橋の酒豪「Fちゃん」と偶然にお会いしたがお元気そうなので何より。近いうち一献お手合わせ願いたい。

それにしても今日は今日で疲れた。と、「好い訳」を作って外飲み。

何処へ行こうか。中華料理の「大福元」へと思い予約を入れたが満席。

それではと、和食居酒屋「弥生」。ひとテーブルが空いているとの事、ラッキー。

この二店はどちらも地元の人気店でいつも繁盛している。

カウンターと座敷のある弥生も程無く満席。

本日はI井さんSちゃんのご夫妻と我が家はIと家人と自分。

まずは生ビール・芋焼酎「海童」・ファンタグレープで本日の労をねぎらい乾杯。

予めここの名物平貝の貝殻に乗っけた「刺盛り」と「海鮮サラダ」。

刺盛りはその日の仕入れ状況で内容が変わる。海鮮サラダもいわゆる印だけのちょこっと乗った貧弱なものではなく、しっかりと魚をあしらってボリュームがある。

そして弥生と言えば鳥の首、ネックを焼いた「こにく」。どう言う分けかご近所の居酒屋さんはこれを出す店が多い。独特の風味食感が杯を進める。

さらに、「ゲソ天」。これがまた衣と、ゲソそのものが柔らかく何とも美味い。普通なら天汁か塩などでだが、ここでは魔法の調味料、「マヨネーズ」で供されるが、それが全く邪魔せずむしろ素材の味を上手に引き出している。上手いもんだ。

「水茄子」や「お新香盛り合わせ」の様なものあった気がする。これはこれでテーブルの彩りとしては良いか。

肉厚の「鯖の汐焼き」や香味豊かな「手羽先の唐揚げ」も程良い油でくどくなく美味い。

I井さんと、「より良い素材」を「旨く料理」して「適正価格」で提供する。繁盛しない訳が無いとの結論に落ち着いた。

しかし栄枯盛衰が常の厳しい飲食業界、それが中々難しいのだろう。

人気がある理由のもう一つ、このお店のご夫婦がとても感じが良い。これも大事な要素だ。

「海童」のボトルが空いたところで本日はお開き。

残念なのは「たてがみ」を注文し忘れたこと。次回の楽しみ。

珍客万来。

今朝早く、珍しいお客が訪ねて来た。

久しぶりだなぁ、元気かよ。

昔はこちらの方から会いに行ってたのに、今じゃとんとご無沙汰で。

それにしても相変わらず遠慮深いね。勝手に家に入ってくれていいのに。2009062017060000_2

「ノコギリクワガタ」。

今朝家人が我が家の網戸にしがみ付いていたところ知らせに来た。

甲虫類には人並み以上の思い入れがある。

自分でも目の色が変わっていくのが分かった。

田舎なら何て事の無いノコギリ(当時は)。

ここら辺りで見かけるのは珍しいのではないか。

よくぞ我が家を選んで訪ねてくれた。

風情のある佇まいの酒場を見つけたくらいにうれしい。

最近同じ様な思いをした。そう、昨日の「大林」。何か良い事ありそうだ。

まぁゆっくりして行ってくれ。バレない様に夜には近くの緑に返してやろう。

因みに子供の頃のお気に入りはこれ。250pxrosalia_bateshi1

「ルシボシカミキリ」。

鮮やかな瑠璃色に黒のドット。気品があってかっこいい。

自分しか知らない秘密の木の枝で偶然見つけ、一度助けてやったら毎年来るようになった。随分律儀なもんだ。

カブトムシやクワガタも含めたこの手の甲虫類はアルコールが好きで集まってくると以前何かで読んだ気がする。

なるほどその論理で行くともっと沢山の昆虫を集めるには、もっと沢山・・・

泪橋。

少々事情が有り、一人で巡礼に出る。

詳しく言えばちょっと、目的があった。

近々M氏と予定している「とある名店」の予察を兼ねて。

とりあえず、町屋に降り立ち「ときわ食堂」でくつろぐ。

しかしここは何時来ても盛況だ。おそらく100数種類はあろうと思われる品揃えに、しかも安価で楽しめるのでは無理も無い。更に美味い。下町の老若男女がこれを見逃す訳も無い。

いつもの「きざみ山葵」と「納豆山芋葱に卵黄」をチューハイで。

さぁ、今日はこれから次回の「目的地」を確認して、更にはあと一軒くらい金町の「ゑびす」にでも寄って帰ろうか。一人気ままだ。

せっかくなので都電に乗り、三ノ輪で降りて歩こうか。

ほう、さすが三ノ輪も雰囲気があるねぇ。以前訪問した「遠太」や「弁慶」などの名店がある町だし当然か。

南千住を抜けて歩道橋を渡ると、心なしか気が張る。

あった。「泪橋」の交差点。

「立つんだ!立つんだジョー!」で有名な、「あしたのジョー」の丹下闘拳倶楽部もここら辺りが舞台。

泪橋とは何とも郷愁をそそるが本当の地名は「日本堤」

そこを山谷ドヤ街方面へ少々歩く。

思いの外「ダンボーラー」や「ブルーシーター」の方々は少ないが、そこは山谷、「危険な香り」ぷんぷんの先輩方が道端、道真ん中にいらっしゃる。簡易宿泊所の方から悪魔のそれに似た叫び声がしたが振り向かず一心不乱に突き進むと・・・悠然と現れた。こ、ここだ。

あっ・・暖簾が掲げてある。「大林」。確かに誇らしげに。013

と言う事は営っていると言う事だ。きょうは単に予察で心の準備が出来ていない。

一瞬、色々な事が脳裏を廻り呆然と立ち竦んだが、ここまで来たら「入る」しかないだろう。

引き戸を開けていざ。

「らっしゃい」とごく低い声でポツリと店主。店の空気はピーンと張りつめている。

ここの店主は「無愛想」&「気難しい」事でも知られている。そんな中に何の因果か客は自分一人、他の客はまだ誰も居ない。どうやら口開けと同時に入ったらしい。

店内を見渡した次の瞬間、すべてぶっ飛んだ。参った。完全に参った。

この風情と雰囲気は言葉では形容の仕様が無い。

濃い鼈甲色のカウンター・テーブル・椅子・窓に至るまで、どれを取っても使い込まれながらも管理の行き届いたディティールの数々、丁寧に使い古されている。見事だ。

これまで、今は無き「神谷酒場」を始め、「鍵屋」「伊勢藤」「根津の甚八」など、その佇まい風情に感銘を受けた名店はある。

しかしこの「大林」は別格だろう。

とりあえずはチューハイを頼む。店主の前掛けには亀甲印の中に「宮」の文字、と来ればもちろん「キンミヤ」。

冷蔵庫からキンキンに冷えたキンミヤに氷を少々そこにスライスしたレモン。しっかり角7酌酒グラスで計り入れる。丁寧な仕事だ。

暫くすると、グラスの水滴がカウンターを濡らす。そこへ店主がさり気無く拭いてくれる。

やっぱりね。ここの店主は寡黙で朴訥なだけなんだ。受け取り方で思いがけないイメージだけが一人歩きするけど、全然感じ悪くない。むしろ正しい姿ではないだろうか。

気のせいか丹下段平に似てなくも無い。

無駄口も叩かないし、不要な愛想も振りまかない。いいじゃないか。

そろそろ混んで来た。隣のお客が醤油猪口にソースを注ぎそうになった。店主が即座に制止した。「それソースだよ」。そして「ニヤッ」と確かに笑った。

山谷の側だけに店内には「山あり、谷あり、酒がある」のコピーが洒落てる。

一部のブログに店内の様子が掲載されているが、ここは基本的に店内撮影禁止だ。

そりゃそうだろう、そう簡単に覗かれて堪るか。

「使い込まれた和竿の美学」とは言い得て妙だ。

この店も店主の年齢やその他の状況を考えると安閑とはしていられない。一日も早く都が有形文化財に指定するべきだ。いやぁ~、ホント間に合って良かった。

大満足のうちに店を出て、少々興奮気味でM氏にご報告。

AKB。

仕事関連の方々10人ほどでの飲み会。

場所は歩いても行ける秋葉原界隈。とくれば名店「赤津加」。

「同じ匂い」なら当然そう成はずだが、この度は「加賀屋」。100682595191

まぁ妥当だろう。

都内を中心にチェーン展開している。

ここの名物は「煮込み鍋」で、これが中々うまい。

殆どのお客さんが土鍋に入れられたこの煮込み鍋を注文している。

この飲み会の面々は北海道・東北・関東・北陸・近畿・九州からの参加なのでその地方方言や地元の酒・食・などの自慢話で盛り上がる。

二軒目からは70’年代ロックの括りでIさんとOと三人に。

秋葉原ガード下。ここら辺りならもちろん、立ち飲みしょっと「おかめ」。2009061721530000 2009061721470000

店内には当時の貴重なライブチケットやギター・ポスターなどが所狭しと展示されていてマニアなら垂涎ものだ。

初訪店のマニアOは正にでんでん太鼓の如く又は恥も外聞も無く店内をキョロキョロしている。こちらが恥ずかしい。この「ビルボード野郎が」二人で諌めてやった。

ここの自慢の膨大なDVDライブラリーから、師匠クラプトンの「ライブ イン ハイドパーク」をリクエストして店内に流して貰い、「縦ノリ」こそしないがご機嫌な三人組み。随分と単純なものだ。

チュウーハイとバーボンとクラプトンに酔い、完全に出来上がっているにもかかわらず、もう少し「もつ」に酔いたいと、直ぐ近くの焼き鳥「元気」2009061722530000

ここは以前シューテンさんに誘われて行けなかったお店。

店名に偽り無く、店員さんは中々威勢が良い。

道路側がオープンテラスになっていて、夜風も良いねぇ。

ここら辺りから記憶が定かでなく、確か「もつ」数種と「たまねぎ」とホッピーの黒を注文したと思う。

気心の知れた者同士との「呑み」はあっと言う間に時も過ぎて、日を跨ぎそうになる前に散会となる・・はずだった。

Iさんは路線が違うのでここでお別れ、残るOと二人で上野駅迄「ゆらゆら」歩く。

それにしてもだ。「まるい」側から通りを挟んで上野広小路口、そこから眺めると、ずぅ~と先に改札がある。遠いなぁ。

行き着けるだろうか剣呑だ。何かあってもいけないし、用心の為に今日は泊まろう。

その決意をOに言ったら二つ返事で「そうしましょう」。

その後、二軒ほど確かに巡ったが店名などどうでも良い。

無事AM3時に宿に着き、ようやく長い一日が終わった。

若気の至り。

今から20年程前に一度だけここを訪れている。

しかも恐らく今日と同じメンツの筈だ。

粋な町、湯島は七福神「岩手屋」。100682595191 側にある「本店」の暖簾分け。

提灯には「奥様公認酒蔵」とある。昔の場所柄故か。

染め抜かれた暖簾を潜るとカギ型のカウンターと二卓のテーブル、正面には注連縄が鎮座していて、そしてそこには名店ならではのピーンと張り詰めた空気が流れている。

その「間」を読み取るには如何せん、如何にも若かった。

まだまだ青二才の面々は十分に粋がって、そして常連さんに「優しく」窘められた。

ほろ苦い思い出を胸に20年ぶりに暖簾を払うと、直ちに蘇る。

うんうん、こんな感じだった。七福神岩手屋:店⑦カウンター内の飾付け090116.jpg当時もこのカウンターの迫力に圧倒されたと思う。

お品書きも確かこんな感じだった。

そうそう、「蝗」。

思い出した。

故郷では良くテーブルに上がっていたが、自分は好んで食べない、と言うより好きでは無い。

20年前、誰かが面白がってその蝗を頼んだが、誰も箸を付けない。

ここは自分が先頭切って食べるしかないと思い、故郷では「おやつ代わりに食べていた」などと虚勢を張って涙を浮かべながら食べたっけ。ほろ苦い。

今回は同行したメンツも当時と違い「大分大人になり」、この風情を十分に堪能している様だ。

付き出しの「蒟蒻とぜんまいの油いため」をはじめ、「ふかひれ煮凝り」「ムロアジくさや」「ホヤの塩辛」をつまみに七福神大吟醸で杯を傾ける。文句無しに旨い。

そこへ若いカップルが入ってきた。

老婆心ながらちょっと心配したが、彼氏の方が慣れている様で心配は杞憂と成りかけた刹那、彼女の方が「生グレープハイ」みたいなのは無いのかしら。

やってもうた。

歴史は繰り返す。じゃんじゃん。

巴波川ゆらゆら。

ちょっとした縁があって昨年秋口より栃木市へ宿泊する機会が多い。

「蔵の街」を標榜するだけあって古い町並みが立ち並び、落ち着いた中々良い街だ。

「小江戸川越」ほど知られていない分、人ごみも少なくこちらの方が情緒が感じられる。

町の中心を横臥する「巴波川」の川端を夜風に吹かれながらそぞろ歩くのも中々乙なもので、柔らかい街灯に照らされると川面のゆらりと仄かに昔の匂いが漂ってくる。

四季を通じてこの川の顔も覚えた。

名残惜しい気もするがそれも今日まで。

残念ながらこんな括りでこの地を訪れることももう無いだろう。

その川縁の橋の袂のある「福田屋」。2009061320410000

蕎麦屋ではあるが「鰻」や「鯰」の料理も出す。

100682595191 縁側から川を見下ろせる広めの座敷に贅沢にも一人で上がり、ご挨拶代わりに日本酒の常温と「雌鯒」・「」・「鯊」の天麩羅を見繕って貰う。

お酒はコップにしますか?

いや、折角だ今日はお猪口で頂こう。

いい塩梅の揚がり具合に加え、サクサクの歯応え甘み、自ずと杯が進む。

それにしても、やはり天麩羅は「白身」に限る。

更に杯を重ね、〆は「もり」を一枚手繰ろう。2009061320080000

ついでに銚子を振ってもう一本。

そして供された何とも様子の良い蕎麦徳利と蕎麦猪口。

そばつゆも鰹が利いて好みの味とくれば、他に何を望もう。

お勘定のあと、この辺りの情景を目に焼きつけて引き戸を引いた。

川面を伝う風が心地よい、いつかまた今度。

さて、次は何処へ行こうか。

品川宿

東海道五十三次、お江戸より一番目の宿場町。

その昔、北の吉原に対して「南」と称され「色町」としても栄えたそうだ。

と言う事は、呑兵衛にも優しい町で正に「巡礼」にも相応しい町だ。

しかもここはM氏のお膝元。

今日はそこにI上さん、大守さんと、M氏の「定宿」ホルモン料理「みかさ」へ。

ここは通りから店に辿り着くまでのアプローチがとても良い。

港南口から人一人すれ違うのがやっとの路地裏を右左旋回しながら巡ると、そこに趣のあるしもた屋風の店が現れる。

ようやく店に辿り着いても安心出来ない。

一階は定員5名ほどのカウンターだが、そこから「アイゼン」や「ピッケル」が必要とも思える程急な階段が待ち受けている。

大袈裟ではなく現に階段脇にはロープの手すりが備え付けてある。月山か。

もちろん帰りの方が怖いのは言うまでも無い。

そこまでしても二階へ上がる理由は、ちゃんとある。

良いんだ、ここの二階が。

畳、壁の汚さ、窓の高さ、丁度良い。

幕末の世、勤皇の志士達もこんな感じで密談していたのではないだろうか。

そう言えば、「鯨海酔侯」の墓も品川だった筈だ。

兎も角、瓶ビールで乾杯のあと日本酒。

ここへは何度かお邪魔しているが、大概「麒麟山」。しかし今日は久方ぶりの「寒梅」。

ここの「お通し」の「ポテサラ」が美味しいので密かに期待していたら、本日はもずくに鮪の刺身が入ってその上に鶉の生卵が乗っている。うんうん、これはこれで旨い。

その他の料理はM氏にお奨めを頼んで頂く。「シロ炒め」と名物「ギアラ炒め」そして「レバ刺し」。

どれもこれも、旨い旨い。特にギアラは生キャベツの上にギアラ、そのまた上に半熟玉子の三層構造。それを豪快に混ぜ合わせたところをいただく。いやはやこれも酒盗み。

最後はここの定石、泡盛古酒クースーをロックで。

日本酒で「のほほん」とした身体に、この芳醇な香と冷たさが緊張感を呼び戻してくれる。

そう、これから下山しなければならない。

今日にはお誂え向きにビブラムソールの靴。ラッキー。

その後、同じエリアの「鳥一」に転戦してM氏系列のS谷さん・S木さんと合流。お二人とも船橋の「花生食堂」以来。お元気そうで何より。

さらに上野「たきおか」へ転戦。相変わらずのご盛況は大したものだ。

何やら二匹目の泥鰌よろしく類似店が店の前に出来た様子だが、もし「たきおか」と真剣勝負するなら、朝の7時からやってもらおう。出来まい。

愉快な時も帳が下りて、京成組とJR組に別れ帰路に着く。

と思ったら、駅へと向う途中I上さんが「伝家の宝刀」の「綴り」を出され、お言葉に甘えてご一緒させて頂いた。

皆様お疲れ様でした。

束の間。

ちょっと疲れ気味の身体に、この「ピーカン」は厳しい。

雨模様や曇天模様なら、日がなだらだらと自堕落的な一日を過ごせるがこの日本晴れ、そうは行かなくなった。

普通ならこんな時は、M氏をお誘いして浅草あたりのオープンエアーへ一気に繰り出すのが常套手段だが、やはりちょっと疲れている・・でも出かけない分けには行かない。

無意味な心の葛藤のがあり、そこで思い悩んだ挙句の「大都会」。2009060711220000 2009060711220001

まだお昼前。

しかし心配後無用、24時間営業。

呑み助にはありがたい。

180円のチュウーハイと180円の蛸ブツ、そして250円のハムエッグ。どうだい。

ここで突然、蕎麦のキーワードが浮かんだ。

何でだろう?あ~そうだ思い出した、朝から家人が蕎麦が食べたいと。

丁度お昼。

ちょっと戻って、地元の蕎麦処「新玄」で待ち合わせる。

一足先に店に着いた家人は、待ってましたと言わんばかりに一人「板わさ」でビール、生意気な。

こちらは既にチュウーハイを飲っているので、「冷酒」でいく。2009060712390000

2009060712400000 以前この記事にも書いたが、ここは「つまみ」は中々のもので、蕎麦屋の定番「玉子焼き」や「天婦羅」ももちろん旨いが、「もつ煮込み」も旨い。

その他、「烏賊の沖漬け」・「鳥の鍬焼き」等々品数も豊富で、今日はその中の「もつ煮」と「かき揚げ」。

冷酒をクイ~ッと。突き出しの「蕎麦味噌」も旨く、ささやかな至福の一時。

お隣のテーブルのご夫婦も我々と同じように冷酒と焼酎で楽しんおられる。

頑張りましょう、ご同輩。

最後は「もり」を手繰り、〆。

このつけ汁、「並木藪」と比較するのは野暮と言うもの。

さて束の間の休息、楽しんだ。

旅打ち。

金曜日より所用で川越と所沢と。宿は浦和。

「小江戸」川越は勿論、浦和の町も歴史のある分、風情のある建物も多く点在する。

天候が雨と言う事もあって「しっとり濡れて」更に情緒が増し気持ちも安らぐ。

これでそれなりの「止り木」に休めれば良いのだが、この度のはその状況が許さない。

これも「さだめ」と行き当たりばったりの「焼き鳥屋」と、え~いままよと入った「粋筋」のみせ2軒。完全アウェイ状態。

感想は割愛させて頂く事にしょう。

もはや「普通」や「そこそこ」の店ではアドレナリンが反応しない身体になってしまったか・・・なんてね。

次の日、「思いがけず」早い帰りになり、稲毛で所謂「スーパー銭湯」へ。

銭湯とは名ばかりで、「亀の湯」「鶴の湯」「日の出湯」など町中で息づくものとは全く別物だ。

それにしても30人程の移動は神経を使う。

その後もこの人数で「焼肉赤門」。

ビール嫌いだが、さすがにこの時は生ビールが「珍しく」旨かった。

ふっ~、やっと帰れると思ったのも束の間、K先生よりお声が掛かり更にもう1軒。

この時地元では既にI上ご夫妻とご令嬢のTちゃん、それに家人の三人で「扇寿司」にて開宴している。

自分もその宴に合流するのでK先生のお誘いを少々迷ったが、我が家には先祖代々口伝の言い伝え「酒飲みのお誘いは断るな」がある。自分の代でこの伝統を絶やす分けには行くまい。などと。

やっと地元に帰ってきて、お待たせした皆さんと安らぎの一献。

昭和慕情。

突発的に本日はM氏と巡礼。

色々思案した挙句「立石」に決める。土曜日はヘタレで痛手を負ったのでその治療も兼ねて?

6時30分の待ち合わせに少々早目に着いてしまった。

どうしようかなぁ、結局M氏にメールを入れ、無礼にもフライングさせて頂いた。

「毘利軒」。駅徒歩数十秒の立ち飲み串揚げ屋さん。

屋号でも解るがご亭主が本場大阪出身。

お約束の「ビリケン」の置物を眺めながらチューハイ2杯に串揚げ、玉ねぎ 椎茸 ピーマン各二串づつ。

二度づけ禁止のソースにたっぷり潜らせ、それを薄い衣が十分に吸い込んだところを食す。旨い。

お勘定を頼んだら1000円でお釣が来た。なんてこった。

さて、巡礼開始。

この度は「宇ち多”」の反対側から始める事にしよう。

早くから混んでる「半身揚げ」で有名な「鳥房」の脇を入りクランクを過ぎるや否や。2009060117140000 2009060119240000

おぉっ~。2009060117150000

背筋がゾクっとした。

正しく「昭和」だ。間違いなく「昭和」だ。

M氏と共に驚愕して見つめながら涎を拭う。

なんてこった。

感動覚め遣らんうちに「江戸っ子」に着いた。2009060118270000

ここも説明の要らぬ「宇ち多”」「みつわ」と共に「立石三大ホルモン店」の一角 。

もちろん超満員。しばらく待った後に二席空いた。

店内からはお姉さんの「レバー売り切れねぇ~」の声。この時間に?なんてこった。

気を取り直し、先ずはボールで乾杯。

ほんのり黄色く色付いた氷なし。炭酸の配合が良いね。

焼き物は「シロ」「カシラ」をタレで。程なく大振りの串が届いた。

ここは殆どが4本1皿で320円。しかしこのカシラの最期に刺してある「アブラ」、絶妙に旨い。

更に「煮込み」。残念ながら豆腐は売り切れたがシロだけの汁多目のあっさりとした味付けで、これも良い。周りの常連さんは味噌汁の如く旨そうに「飲んで」いる。

レトロなお姉さん方の気遣いも抜群で、余計な気を遣わず飲み喰いに専念できる。

噂に違わぬ名店だ。

店を出て、早速先ほどの路地に迷い込んでみると改めてその異空間に驚いた。

M氏も「すげぇ~や」を連呼。ほんと、すげ~や。

残念なことに江戸っ子の名物レトロお姉さんに聞いたところ、京成線の高架工事で何れ取り壊されるそうだ。なんてこった・・こんな路地が今のこの国を造ったんじやねぇ~のかよ。

この二筋の路地、心にしっかり焼き付けておく。

気持ちを切り替え、線路の向こう岸に渡る。

念願の立ち喰い「栄寿司」。2009060119340000

本来寿司は小腹の空いた時に摘む「立ち食い」が本流だ。その意味からもここは江戸風流の息吹きを感じる。角の両面から入れるのも良いではないか。

酒類は「エビスの小瓶」のみ。

二人で「青柳」「鉄火」「鯖」を二貫づつをちょいと摘んでお勘定。

我が地元の「K寿司」や「O寿司」では何時も長っ尻で無粋極まり無いが、ここはほんの10分程度。これこれ、実はこれがやりたかった。

さっと食べて、さっと帰る。これが「粋」ってもんだ。

軒先三、四歩行くと宇ち多”がある。この時間なら入れるが入らない。理由は簡単、ネタが無くなっているのは明々白々。

そこで本日定休のみつわをチラ見しながら宇ち多”の表に回り、おでんの「二毛作」へ。

M氏はにごり酒の「どぶ」、こちらは清酒「神亀」。

つまみを模索していると、自分の頬が緩むのが分かった。

「のれそれ」。大好物。今年はまだ食べておらず、今年は食べずに終わるのかなぁ~、なんて思っていたのですこぶる嬉しい。それにM氏のご所望の「青柳のなめろう」どちらも旨い旨い。

目の前の宇ち多”も店じまいを初めて、明日使う備長炭の下準備をしている。こう言う風景に接するのもまた、巡礼の一興だ。

そんな折、二毛作のお兄さんが聞き捨てならない事を発した。「この、どぶ、飛び切り燗にしても旨いですよ」。こちらは二人して「なにィ~っ」。

飛び切り燗とは60℃位にお燗する事ですぞ。それもにごり酒を?

つまみも酒も勉強熱心なのは分かる。が、しかし定石をないがしろにして奇を衒うのは良くない。

それにしてもこのお兄さん自信満々。

猪口才な、では頼もう、試してみる。

程なく、肉厚の錫で出来た蓋付きチロリに入って出てきた。

どれ一口、えっ、嘘だ、旨い。なんてこった・・

正に目から鱗、驚いた。今日は何度も驚く。

いやいや旨い、参りました。

ここは何度か訪店しているが、更にお気に入りに登録しておこう。こんなお店に頑張って貰いたい。

さてさてこの後、京成線に乗り京成中山の「ひょうたん」。「もつ焼き日本一」を看板に掲げている。

その結果、解らない。

何故なら、もつ焼き日本一を標榜する店で「もつ焼き」を食べないと言う暴挙に出たのだ。

そして注文したのが「トマト」。

流石に店の店主は張り切って焼き場の前で「焼きますから何時でも言って下さい」と何度か繰り返し賜った。

ここはここで地元の名店だろう。それは分かる。でもね、「我々立石の江戸っ子に行って来たばかりだよ。ねっ、おやじさん大人なんだから意味分かるでしょ」、とまでは言わなかったが店を後にした。

この後、M氏との分岐点「西船橋」で下車して「よっちゃん」へ。M氏はこちら側はあまり立ち寄った事が無いとの事だったが気に入って頂いた様だ。

最期は「大漁船」でtチューハイといつもの「マグロ皮ポン酢」。

相変わらず旨いね。

ここで今宵はお開き。いやはやお陰様で充実した巡礼だった。

岡目八目。

所用で小金井へ。

途中高井戸で首都高を降りる。

土曜のこの時間なら首都高も空いていて立派な高速だ。

余裕を持って街並みを視界に入れながら、一般道を更に進む。

道路標識に「吉祥寺」が見えた。

あぁ吉祥寺ね、などとこれまた余裕をぶっこいて眺めていた刹那、し、しまった、しくじった。

見えてしまった・・・「いせや」駅前店。見てしまった・・・「いせや」駅前店。

ダメダメ、今日は絶対ダメ。これも試練か。

周りに気付かれぬ様に生唾を飲み込んだのは記するまでも無い。

そんなこんなで初めての田無の夜。

宿を抜け出し夜の街へ、流れ先ずは某チェーン店へ。取り敢えずビール。う〜ん、まずい。

慣れ無い事はするものでは無い。1000円払って表へ逃げる。

どこへ行こうか。ちょいと目に付いた店の暖簾を潜る。2009053020540000

「おかめ」。おかみさん一人の店で常連さんも何組か入って居る。

ありがちな、「こいつ見ねぇ〜顔だな」の一瞥洗礼を無事に受け、カウンターに座った。この刺さる様な視線が快感になったら一丁前だ。

「ぬる燗」を頼んだら「チン」ではなく薬缶に徳利を入れたようだ。良い感じ。

お品書きを眺めたら、「ニラたま」と「ポテサラ」、「くさや」もある。良いじゃないか。

隣の御老体がやたら話しかけてくるのには閉口したが、これを軽くあしらう術も一人呑みには必要だ。まぁ、こちらも大先輩の話を聞くのは好きなのであまり気に成らない。

ほどほど酔いながら店を後にして、手を後ろに組み、もう一軒行きますか(吉田類調)。

店を探すのが煩わしくなり、先ほどとは別のチェーン店へ。

ワインが飲みたくなって、デキャンタで頼む。

ホタテと野菜のバターソテーが驚く程、不味い。

TVなどで辣腕経営者、最近は教育者然として、もっともらしいコメントをしているこちらの社長の顔が浮かんだ。

おいおい。

ワインだけを一気に空け、急いでお勘定。

この度の出稽古、「二敗一分」と言ったところか。

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